屋根のデザインは、家の外観を左右する大切な要素のひとつ。この形によって、住空間の形も変化していくため、外観だけでなく、家の内側の使いやすさも考慮していく必要があります。暮らしやすさを考えた上で、屋根の形によって外側へのアピールを考えてみませんか?今回は、いろんな家のファサードを通して、個性的なデザインが与える印象についてみていきましょう。見た目の美しさと機能性の両立が目標となるのでは?
屋根は、移り変わる天候に左右されることなく暮らす空間を保証するもの。そのデザインは、もちろん様々な天気に対応できるものが求められます。例えば、雪の多い地域では、屋根の傾斜や素材に気を付けることが求められます。雨が多い場所では、雨水が流れやすくなる工夫が必須でしょう。機能性をしっかり満たしたうえで、デザイン性にもこだわっていきたいですね。
こちらは宇都宮の中山大輔建築設計事務所の手がけた矢板・焼杉の家。片流れ屋根が風景に呼応します。
平屋をつくる場合、一見してそれがワンフロアとして作られたと見て取れるデザインのものが多いですよね。そうした先入観を崩してくれるのがこちらのお宅。こちら側から見ると、2フロアもしくはそれ以上の印象を受ける形ですが、その実、天井を高く取った平屋なのだそう。屋根の形もねじれた切り妻型となっているそうで、じっくりといろんな角度から見ると、どこか錯覚を起こしているかのようにも思われます。とがった形がとても印象的です。
【平屋については、こちらの記事でも紹介しています】
家の形によっても、屋根の形は変化するもの。特に変形した建物などでは、それぞれ棟ごとに形を変えていく必要があったりします。愛媛県今治に建つ被衣の家は、神戸の建築家・Y+M Design Officeの手によるもの。旗竿敷地を活用すべく作られています。U字型に弧を描く建物に沿って途切れることなく取り付けられた屋根は、とても有機的で柔らかな曲線を描いており、見る人を魅了します。硬いはずの素材が柔らかく感じられそうですね。
Photo: 笹倉洋平 / 笹の倉舎
住宅地や歴史地区など、特定の地域では、街の景観に沿った建物をつくることが義務付けられていますが、逆にそういった規制がない自然の中にある土地では、意外に建築で冒険ができたりするものです。こちらは富士の裾野に建つセカンドハウス。こちら側から見ると、折れ線グラフを思わせるような形の屋根ですが、実は片流れというデザインになっており、雪や雨が思う場所に落ちるように設計されているのだそうです。
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近年、サステイナビリティとかエコハウスとかいった言葉がよく聞かれるようになりました。特に震災以降、自家発電ができるようにとソーラーパネルを取り付けられるお宅が急激に増えましたよね。初期費用がかなりかかるとはいえ、自給自足できたり、余剰電力は売ることができたりするため、エコに賛同する方たちの間で広く採り入れられるようになりました。最近ではどこで大地震が起きてもおかしくない、といわれており、特にこうした場合にも電気が自給自足できるというのは大きな強みです。