耐火と防火の違いは?住まいを火災から守るために知っておきたい6つのこと

Takashi Sasaki Takashi Sasaki
千駄ヶ谷のコンクリート打放し, 松井建築研究所 松井建築研究所 Moderne Wände & Böden
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耐火構造や防火構造など、燃えやすい構造の建物が多い日本では、大火災につながらないように様々な制度や対策、そして技術などが開発され採用されてきています。安心して過ごしていける我が家にしていくためにも、今回は住宅を火災から守るために是非知っておきたい6つのことを紹介していきたいと思います。自分の家の内部を燃えないようにするだけでなく、隣家の火災をもらわないようにする点にも注目していきましょう。

耐火構造とは

耐火構造とは、壁・柱・床などの建物の主要構造部が火災にさらされても変形や破壊が生じることなく、建物自体が倒壊したり延焼しないという耐火性能を持つ構造のことを言います。ほとんどの火災が通報から15分以内に消火活動が始められていますが、大きな建物での避難や周囲への延焼を防ぐために、部位や階高によってそれぞれ30分~3時間の耐火性能が定められています。

防火構造とは

防火構造とは、建物の周囲で火事が発生した場合に火をもらって燃え広がらないためのもので、外壁や軒裏などの建物の外側について必要とされる防火性能を有する構造のことを指します。つまり、「耐火」とは建物の内側やそれ自体で生じる火災に対することのことを表し、「防火」とは隣家などで生じた火災に対してのことを表します。

防火地域

火災は街全体に損害を与える可能性があるので、建物が満たすべき耐火や防火性能が定められている区域があります。「防火地域」は、都市中心部の人通りや車の通行量か多い地域や、災害時に緊急車両が通行する幹線道路沿いの地域に指定され、耐火建築物にする必要がある区域になります。「準防火地域」は、密集する住宅地で指定され、3階建ての木造建築物を建てる際は外壁などの耐火時間が45分以上有するなどの基準を満たした準耐火建築物であること、2階建ての木造建築物を建てる際は外壁や軒裏の耐火時間が30分以上を有するなどの基準を満たした防火構造であることなどが定められています。

木造耐火建築物

以前は鉄筋コンクリート造や鉄骨造などでしか耐火建築物は建てられませんでしたが、現在では木造による耐火建築物も可能になりました。強化石膏ボードなどで木造の構造材を保護すると同時に、実は木材は火に対して強く、鉄は高温で熱せられるとある時点で急激に強度を失いますが、木材はある程度の厚みがあると、表面だけが炭化して芯の部分まで燃えづらく、鉄のように強度が急激に低下することもありません。

写真:Kai Nakamura

自宅での火災をひろげない工夫

万が一の自宅での火事に備えて、何よりもまず積極的に不燃性の石膏ボードなどの材料を取り入れて、住まいの耐火性を上げていきましょう。室内の壁や天井にそうした素材を使うことで、もしある部屋で火事が起こったとしても、他の部屋へ火が燃え移ることなく、火事をその1室だけで食い止めることができ、被害を最小限に抑えることができたり、燃え広がるスピードが抑えられ、建物外へと避難する時間をかせぐことができます。

隣家の火災をもらわない工夫

自分の家で火災が起きないように細心の注意を払っていても、隣家で起こる火災は自身では防ぎようがありません。そのためにも、自宅の外壁や軒裏、屋根に不燃材を採用するとともに、開口部にも燃え移らないような防火対策を行っていきましょう。是非こうした防耐火に対する考えを把握しながら、建築家とともに安全で安心の住まいをつくっていきましょう!

安心に暮らせる家については、こちらの記事でも紹介しています

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