家は生活の場所であり、同時に雨や風をしのぐ場所にもなります。そんな家ですが、最近では閉塞的になっているかもしれません。というのも家が住宅地などに建てられれば、外からの視線を遮る必要があるからです。多くの家はプライバシーを守るために窓を少なくしています。ただしそれは開放感を失わせてしまうでしょう。そこで紹介したいのは、プライバシーを守ると同時に開放感を感じさせる家。そこでは外からの視線を気にせずに、心地良い暮らしを可能にしています。
プライバシーを守る家ですが、開放感は全く失われていません。開放感を生み出すのは1階の中心部に設けられた中庭。そこには木が植えられており、家の中であっても自然を感じさせます。そんな緑の空間はガラス窓で囲まれていて、庭がまるで屋根の無い部屋のように見えるかもしれません。中庭の横にあるリビングルームに座れば、見えるのは植えられた木。それは外にいるような印象を与えてくれるでしょう。
中庭は屋外にいるような開放的な気分を与えるだけではありません。そこには屋根が無いため、太陽の光が射し込みます。普通であれば、窓の少ない家は明かりを取り込むことができないため、暗い空間になっています。ですが、ここでは中庭によって外の光を取り込むことができます。そしてガラス窓を通じて、家の中を明るくしてくれるのです。
このような中庭には縁側が設けられています。そのため決して広くない場所ですが、くつろぐことができます。縁側に座れば、外の風にあたることができます。そして太陽の暖かな光を浴びることができます。庭は屋外のため、普通であれば外からの視線を気にしなくてはいけません。ですが、ここでは、それを気にすることなくリラックスすることができるでしょう。
中庭ばかりに目が行きがちですが、本住宅には他にも開放感を感じさせるスペースがあります。それは屋上にある屋上デッキ。屋上には手すりとデッキが取り付けられていて、自由に使えるようになっています。そこに上がれば、思う存分外の空気を吸うことができます。もちろん外の眺めを楽しむことができ、窓の少ない家に圧倒的な開放感を与えるのです。
本住宅で考えられたのは、プライバシーを守ることと開放感を得ること。ここでは両立しにくい2つのことを可能にしています。大人が縁側に座ってくつろぐ横で、子供は屋上で遊ぶことができます。そこでは外からの視線や、閉塞感を感じることはありません。このように、本住宅では暮らしを存分に楽しむことができるのです。