リビングは居心地のよい空間であるべきですが、長く暮らしているとどこか退屈に感じてしまうこともあるかも知れません。そんな時には、ちょっとしたアレンジを加えることによって雰囲気を一転させてみるのはいかがでしょう?例えば壁。壁の色や素材を変化させるだけでも、リビングの雰囲気がぐっと変化することが分かるはずです。今回は、いろんなお宅の居間を見ながら、素材や色のもたらす変化についてみていきましょう。
リビングのインテリアアレンジを考えていくときに、多くの人の意識が集中するのは家具やインテリア小物のようなアクセサリーだと思いますが、壁も空間の雰囲気を大きく変化させることのできる大切な要素です。こちらのお宅では、北欧スタイルを意識して、ナチュラルな印象のLDKが作られています。注目したいのが奥の壁。一面だけをモスグリーンに塗ることにより、柔らかな雰囲気となっています。
建物の構造やその素材感によっては、内装に取り入れるべき家具や小物などが大きく左右されることも。アトリエ環建築設計事務所の手がけた東シナ海を望む家は、ミニマルでシンプルな構造であるため、インテリアにもミニマルなデザインのものが組み合わせられています。開放的に作られたこのお宅で特徴的なのが、建物の一面すべてをガラス張りとしているところ。眼前に広がる景色を堪能でき、またシンプルな屋内に自然の色を取り込んでいます。
Photo: 三好芳昭
▶「住まいの写真」ページでは様々な種類のリビングを紹介しています。◀
最近人気の中古マンションのリノベーション。なるべく開放的にと既存の壁構造などを取り払って、コンクリートの構造をむき出しにすることも多いようです。そのままグレイを基調としてインテリアづくりをするのもよいですが、こちらのお宅では、木の暖かさをプラスしています。壁面に古材を貼り合わせることによって、床とは少し異なるニュアンスを加えており、ちょっとした個性が感じられますね。
【リビング照明については、こちらの記事でも紹介しています】
福岡市の建築家・岸建築設計室が手がけたこちらのお宅は、築30年の既存住宅をリノベーションしたもの。既存のリビングダイニングと奥に見える和室をまるで一つの空間のように作り替えたのだそうです。広々としたリビングは、白い壁で囲まれていますが、よく見ると細かな凹凸が見て取れます。敢えてニュアンスのあるマテリアルを取り入れることにより、どこかラグジュアリーな雰囲気が漂います。
Photo: イクマサトシ〈Technistaff〉
近年アレルギーに苦しむ人が増えていますが、シックハウス症候群が問題になって以来特に、住まいに取り入れる素材にも気を配る方が増えてきているようです。そこで注目を集めているのが伝統的に使われてきた漆喰や珪藻土などといった天然素材。例えば珪藻土を使うと、消臭効果や防火効果、また調湿効果が期待できるのだそうです。とはいえ、定期的にメンテナンスをしなければならないことにも気を付けたいですね。